「子どもの理不尽な言動に耐える教師たち」このまま放置でいいのですか?⑴【西岡正樹】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「子どもの理不尽な言動に耐える教師たち」このまま放置でいいのですか?⑴【西岡正樹】

教師に対する理不尽な言動が低年齢化している理由

 

◾️子どもに関わる全ての人が真摯に考えるべきこと

 

 もしこの状況を放置すれば、子どもの理不尽な言動はこれからもエスカレートし、続いていくことは容易に想像できる。教師も保護者も、私たちみんなが本気になってもう一度考えなければならない時に、来ているのではないだろうか。

 

* 私たちは、子どもたちの体験や経験をきちんと積み重ねているだろうか。(幼く育てない)

* 私たちは、子どもたちが自らの成長を実感できる環境づくりをし、余計なジレンマや多大なストレスを子どもたちにかけないようにしているだろうか。(環境が子どもを育てる)

* 私たちは、子どもたちの容量を越えた情報を与える「IT機器」や「大人たちの言動」の存在を自覚しているだろうか。(限度を越える情報は子どもの混乱を招く)

* 私たちは、人と人が繋がる大切さを子どもたちにしっかりと伝えているだろうか。(人はひとりでは生きていけない)

 

 私が常々考えていることを整理してみた。子どもに関わる全ての人(すべての教師や保護者)に真摯に考えてほしい。そして、それが一人ひとりの行動につながっていくことを強く願っている。

 私たちは、子どもの理不尽な言動に耐えている教師や支援員をそのままにしてはならない。何故なら、やってはいけないことは子どもも大人も同じだから。子どもだからといって許されるわけではない。また、教師や支援員への理不尽な言動を減らすことは、ダイレクトに理不尽な言動をする子どもやその周りにいる子どもたちの安心につながる。そして、安心は子どもたちの深い学びへ繋がっていくのだ。

 私は、今でも25年前に担任した6年生のYがつぶやいた言葉を思い出すことができる。

「自然を壊したのは人間だけど、自然を元に戻すことができるのも人間だと思う。人間はそんなにバカじゃないんじゃないかな」

 そして、私は今でもYの言葉を信じている。

 

文:西岡正樹

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西岡正樹

にしおか まさき

小学校教師

1976年立教大学卒、1977年玉川大学通信教育過程修了。1977年より2001年3月まで24年間、茅ヶ崎市内の小学校に教諭として勤務。退職後、2001年から世界バイク旅を始める。現在まで、世界65カ国約16万km走破。また、2022年3月まで国内滞在時、臨時教員として茅ヶ崎市内公立小学校に勤務する。
「旅を終えるといつも感じることは、自分がいかに逞しくないか、ということ。そして、いかに日常が大切か、ということだ。旅は教師としての自分も成長させていることを、実践を通して感じている」。
著書に『世界は僕の教室』(ノベル倶楽部)がある。

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